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議員期末手当増額議案に反対しました

2016.02.26

2月議会において、44名議員提出の神戸市会議員期末手当を116,000円増額
する議案に対して我が会派「神戸維新の会」は反対し、反対討論いたしました。
しかし、数の力に負け昨年の12月に遡り増額されることになりました。
反対討論は下記の通りです。(全文)

議員提出第9号議案
神戸市市会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例の件について

 この度の議員期末手当改定議案については、行政職である本市職員給与改定に伴うものでありますが、我が会派「神戸維新の会」は次の4点により反対致します。

 まず、リーマンショック以降日本経済を取り巻く環境が激変し、消費税が5%から8%に移行した平成26年以降も、アベノミクスによる円安・株高誘導により大企業を中心に景気が回復したように見えました。しかしながら、総務省によると日本の大企業といわれる会社は全企業数約421万社のうち僅かに0.3%、約1万2千社にすぎず、残りの99.7%が中小企業であります。
 神戸市内における従業者規模別の民営事業所数をみると、従業員50名以上の事業者は2,432事業所、市内に67,807ある事業所の僅か3.6%にすぎません。残りの約96%が従業員数49名以下の中小企業であります。
 今回の人事院勧告による給与改定案は、ラスパイレス方式にて民間給与との比較を算出し、従業員50名以上、即ち大企業の従業員給与と国家公務員給与が比較されております。神戸市では、市内の従業員数50名以上の2,432事業所より無作為で158事業所を対象に抽出しており、神戸市内の大企業約6.5%という数字です。これは市内全事業所数の僅か0.2%であり、現実に見合った比較がなされているとは言い難く、我が会派は対象事業所を市内事業所全数の約43%である従業員数5名以上にして大多数の市民との給与比較が必要であると考えます。神戸市人事委員会は、各役職における職責を同程度の企業と比較しないと判断できないといいますが、利益・数字を追求する倒産リスクのある民間企業と、それらを追求しない倒産リスクがない公務員とでは、一律に比較できるものではありません。

 
2点目に、昨年度産業振興局が発表した神戸市内景況・雇用動向調査報告書を見ますと、資本金1億円未満の企業は91%と9割以上を占めています。これによると市内の規模別景気は、大企業が平成27年10月~12月の第4四半期前年比4ポイント上昇の予想でありますが、中小企業は前年比10.6ポイント回復したとはいえ、それでもマイナス14.9ポイントであります。結果、平成27年度神戸市内の9割以上の事業所の四半期景気は、マイナス16.9%→マイナス17.9%→マイナス16.1%予想→マイナス14.9%予想と景気は戻っておらず、不景気な状況が続いています。

3点目に、先日今年度の神戸市予算概要が発表されました。実質公債比率(-1.4%)、将来負担比率(-8.5%)ともに改善している一方、一般会計における義務的経費が増加、その中でも扶助費は過去最高の2,047億円、2.1%増となっております。今後、子育て世代の呼び込みが必要なうえ、高齢者も増加することから扶助費の増額は不可避であります。プライマリーバランスは20年連続黒字化ではあるものの、黒字幅は年々減少しており予断を許しません。

最後に4点目ですが、我が会派が反対する最も大きな問題として昨年7月に発覚した神戸市会における政務活動費不正流用問題です。およそ3,450万円にものぼる巨額な税金が不正に取得・流用された疑いがある本件については、被疑者不詳のまま兵庫県警に告訴状が受理され捜査が始まったばかりです。発覚より連日報道され続けたこの問題により、神戸市会に対する不信感を神戸市民の皆様に与えたことは紛れもない事実であります。市民の皆様に納得していただけるご報告が未だ出来ていない状況であるなかで、議員期末手当改定議案を通すということは、あまりにも市民感情と剥離した行為であります。市民の信頼を取り戻すべく、今だからこそ我々議会人自らが歳費削減などの行動や態度を示す必要があるのではないでしょうか。

我が会派は何も、行政職や特別職の賃上げを絶対に認めないというスタンスではありません。行政に関しても一律にあげるのではなく、頑張った職員にはもちろん給与を上げるべきだと考えます。そのためには、これまでのように一律に改定するのではなく、民間企業のように個人能力評価で給与改定を行う人事評価制度が必要であるとも考えます。中小企業の従業員給与も上がったので最後に特別職の歳費もあげるというのが本筋ではないでしょうか。

以上のことにより、この時期における議員期末手当を増額させる議案に対して反対といたします。議会の皆様のご賛同をお願い致します。

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