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経済港湾委員会 行政視察レポート④

2017.11.21

11月15日(水)10:00~12:00

箱根町役場

「観光振興策及び保養所等転活用策について」

年間2000万人前後の観光客が来訪する箱根であるが、一昨年度は大涌谷周辺の火山活動により観光客数は落ち込んだ。昨年は、観光客数も戻ってきており今年も順調である。宿泊施設は415施設あり、年間宿泊者数は500万人前後、観光消費額は800億円程度である。最近の宿泊客の内訳では、外国人客が非情に増えており10年前の3倍以上の46万人以上になっている。ただ、修学旅行生が減っており約1/2になっており、2.4万人である。(修学旅行生数の増加取り組みは特に行っていなかった。)

観光振興については、箱根町観光振興条例に基づいて策定したHOT21観光プランの5つの基本方針で取り組んでいる。平成29年度誘客宣伝基本方針としては、ラグビーW杯2019や2020東京オリンピック・パラリンピック開催を見据えた取り組みを中心としている。対象市場は、国内は首都圏、関東甲信越地域及び中部(広域観光への対応)、海外は東南アジア(ベトナム、タイなど)、オーストラリア(ラグビーW杯重点国)である。

誘致宣伝活動は、行政ではできない民間手法を用いた自由な発想での誘客宣伝が可能である、箱根観光協会への事業委託により実施している。インバウンドについては、非常に大きなマーケットとなっており、海外にセールスプロモーションを積極的に行っている他、FAMトリップを実施して、現地の旅行業者を招へいして実際に箱根を案内してツアーを組んでもらうようにしている。また、箱根では、外国人が安心して一人歩きできる観光地箱根の実現を目指し、多言語化も積極的に行っている。総合案内書には、英語スタッフは常駐、中国語・韓国語スタッフも年間200~300日配置している。外貨両替機も設置して、12通貨対応としている。それ以外も、外国客向けパンフレット、Free Wi-Fi環境整備、スマートフォン用無料アプリ、クレジットカード利用促進、洋式トイレの整備など様々な外国人客対応に取り組んでいる。

それ以外にも、長期滞在に応える広域観光の促進を行っており、2市3町にまたがる「箱根ジオパーク」として「箱根火山」をテーマに活動を行っている。それにより、リピーターの取り込み、日帰り客を宿泊滞在へと誘導して経済効果を高める努力を行っている。

 

箱根町役場への行政視察の条件として、箱根に一泊することとあることから、我々も登山鉄道に乗り強羅で宿泊した。残念ながら、そこから上にはケーブルカーとロープウェーを乗り継がないと行くことができず行けなかったが、朝には見事な紅葉をみることができた。また、平日にも関わらず多くの観光客でにぎわっており関東圏の一大観光地だと認識させられた。それと外国人客が非常に多く感じた。残念ながら、保養所の活用は特に行っていないということで詳しくは聞けなかったが、この地区には179件の民間の保養所等が登録されているらしい。六甲山では、外国人対象にして保養所のゲストハウス転用も開始しているが箱根ではそうでなかった。六甲山でも増えている外国人トレッキング対応について質問したところ、今のところ登山道案内は2言語(日本語、英語)のみである。理由は欧米人が主にトレッキング客として多く訪れているためであるが、将来的には多言語化にしていきたいとのこと。また、全部ではないが金時山のコースにはグーグルストリートビュー撮影して、ストリートマップで見られるようにしている。

そして、混雑解消の対応としては従来のゴールデンルート(登山鉄道~ケーブルカー~ロープウェー~山頂)とは逆ルートの提案をして、ルートの分散化にも努めている。

神戸の観光振興策も観光資源を活用して、六甲山のトレッキングコースの整備、多言語化、外国語スタッフの駐在、両替機設置、FAMトリップの積極的実施、ラグビーW杯を見据えた海外客誘致策などを、神戸観光局を通じて取り組むべきだと感じた。

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