住本かずのり後援会
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8/31~9/2、文教こども委員会では、東京都豊島区、荒川区、足立区そして富山市へ行政調査に行ってきました。
今回は、調査内容をレポートします。
東京都豊島区調査
・豊島区国際アート・カルチャー都市構想について
東京都豊島区は東京23区内では唯一、2040年度消滅可能性都市として指摘されました。そうならないためにも、人口増加に転じる必要があり、どうしても子育て支援などに目が行きがちなところをあえて狭い視野ではなく、広い視野にたった方針をとることになりました。様々な議論を経て、消滅可能性都市から持続発展都市へと転換する方針を打ちたて、「国際アート・カルチャー都市構想」が完成しました。F1会議(20~30台前半女性をF1層という)を開くことで、女性の視点でのマーケティングを開始しました。豊島区には手塚治虫氏をはじめとする著名漫画家が住んでいた「トキワ荘」があり、クールジャパンとして世界から注目されるサブカルチャーの拠点が池袋を中心に続々と誕生しています。そして3つのコンセプトのが生まれました。1、多様性を活かしたまちづくり 2、出会いが生まれる劇場空間 3、世界とのつながり人々が集まるまちづくり。神戸市でいえば長田区に似た下町の豊島区ですが、基本コンセプトの下、様々な施策を実施したため、35年ぶりに人口が増加し現在は28万人の人口になっています(他区からの転入が多い)。
・豊島区新庁舎について視察・説明
現区長が就任した時点で、借入金残高が872億円あり古くなった区役所を立て替える財政的余裕は全くありませんでした。さまざまな知恵を活かし考え付いたのが、旧役所跡地を民間に定期借地で貸し出し、廃校小学校跡に民間分譲マンション付きの新庁舎を建てることでした。全49階立ての新庁舎は1、2階には区民交流ゾーン、民間商業者の入るテナント、3~9階が345日開かれた庁舎、10~49階が分譲マンションになっています。建設時に10階以上の部分は建設業者に売却したため、実質負担金0で新庁舎を建てることができたそうです。山、海、川が無い豊島区なので、10階にはかつての豊島区の自然を再現した「豊島の森」を整備し区内小学校の自然環境を体験できる見学・学習ルートをつけています。今年の5月に開設した新庁舎は、3階窓口で全ての業務の受付をするワンストップサービス化が実施されています。フロアマネージャーが常駐しており、スムーズに担当部局に移動することができます。
東京都荒川区調査
・子どもの貧困対策について
荒川区では、区のドメインを「区政は区民を幸せにするシステムである」を基本姿勢にあげ、荒川区民総幸福度(GHA)の研究取り組みを始めました。その結果当面は不幸を減らす取り組みが必要との結論の下、子どもの貧困・社会排除問題研究プロジェクトがスタートしました。平成23年度に最終報告がされ、あらかわシステムが考えられました。そして、子どもの貧困対策を包括的に行うことが必要との結論が出され、産後のうつ傾向の対策などの(ママメンタルサポート事業)からスクールソーシャルワーカ、子ども家庭支援センター相談体制の強化、虐待コーディネーター、良好な学習環境にない子どもの学力不足に対応した支援事業、家庭相談の充実、支援が必要な子どもに対しての生活支援・学習支援提供団体の補助、保護者の学びなおし事業(高卒認定試験支援事業)など可能な限りの子どもを取り巻く環境作りを良好なものにするための施策を行っています。
東京23区は特別区のため、各区で独自の施策が実施することができます。須磨区も消滅可能性都市として名前があがっているので、独自での施策ができれば豊島区のように思い切ったこともできるかもしれません。しかし神戸市全体ででとなると、最大公約数的な事しかできなくなるため、我が区だけ国際カルチャー都市という訳にはいきません。しかし、新庁舎の建て方や、負の連鎖の防止などは神戸市でも非常に参考になる部分が多く、今後都市間競争に打ち勝つには、いかに創意工夫して民間でできることは民間で、公は思い切ったセーフティーネットの構築、という発想が必要ではないでしょうか。ちなみに豊島区新庁舎の上階のマンション部分は、1平米単価100万円、平均分譲価格8000万円という高額で販売され、全て完売しているそうです。もし分譲部分も区がやっておれば、かなりの利益がでたそうです。