SUBIMG
profile
policy
report


委員会行政調査レポート足立区・富山市編

2015.09.4

東京都足立区
・こども未来創造館について視察
足立区には「ギャラクシティ」という子ども未来創造館があります。これは、子どもの学力が他の23区より低いという学力向上のために年間約5億円ほどの予算が当てられている区立の施設です。平成25年にリニュ-アルされ、前年来館者が2万人のところ初年度に162万人もの来場者を集めた小学生に大人気の施設です。ここでは、プラネタリウム有料(小中高生100円、大人500円)以外は全て無料で体験できます。例えば、国内最大級のネット遊具(スペースアスレチック※写真1)、高さ7.5mあり本格的なクライミングが体験できるクライミングウォール(※写真2)、工作や実験が体験できるものづくりガレージ、料理ができるスペース、映像で遊べるスペース、など子どもたちが体験・実験・学習できるスペースが充実しており、人気のほどがうかがえました。ちなみに時間が決まってはいますが、大人も体験できます。
※写真1
DSCN0337
※写真2
DSCN0334

富山県富山市
・DV被害者対策について
これは富山県全体の問題として県主体の事業となりますが、DVの防止に向けて被害者支援を進めるために、民間団体から企画提案事業を募集して補助するという事業になります。平成27年度は6団体の事業を承認して補助金を交付しています。補助額は年間16万円と決して多くは無いですが、DVによる離婚後のこころのケア講座開催、DV被害者の自立支援、生活物資の提供、DV被害者の電話相談などの対応できる人材育成、被害者同士がグループカウンセリングできる場の提供、などの事業を行う団体が採択され補助を受けています。他には被害者対応マニュアルとして、教育関係者用、民生委員・児童委員・男女共同参画推進委員用、医療関係者向け用、など個別に作成してDVの発見、ケア、防止啓発などを行っています。
・中学校部活動の充実について
富山県では中学生部活動加入率が約75%(全国約65%)と非常に高い県でもあります。また、元気とやまスポーツプランを立て、基本方針を「富山県スポーツ界の好循環の形成-交流・連携・協働の推進-」にしてスポーツを主体的に楽しむことができる環境づくりを推進しています。教育委員会は県市一体の事業として、中学校の部活動充実を挙げており、運動部における専門的な実技指導をする指導者を公立学校に派遣する、スポーツエキスパート派遣事業を行っています。このことにより、教員の多忙化解消、専門的な技術指導、審判や資格保持者が多く大会出場を満たすなどの成果がでています。また、アスリート養成のためのスパーコーチ派遣事業もありこれは、全国大会出場クラスの実技・指導経験豊かな指導者を中・高等学校に派遣して富山県スポーツ競技力向上と部活動の一層の充実を図っています。

神戸市にもプラネタリウムがある青少年科学館があり、小中学生の体験学習施設としては充実しているとは思います。しかし、無料という訳にはいかず年間入場者数も30~40万人とまだまだ他の都市からの入場者取り込む余地は残っていると感じます。こちらは、科学館というだけに科学に特化した部分も多いため専門的にはなりますが、もっとイベント開催や告知して門戸を広げることで子どもたちに科学の興味を持たせる役割を担う施設であるべきだと改めて感じました。また、DV対策も行政は相談者の人材育成から行う必要があるなど、相談→被害者支援→心のケア→自立支援など一連のトータルサポートが必要だと感じました。中学の部活動に関しては、最近教員の多忙化が問題になっており、中学校の部活顧問になると夏休みでも毎日部活指導、終われば夜間地域巡回(防犯パトロール)など夜遅くまで業務が続いています。教員業務の軽減のため、部活動指導のパートタイム化などは生徒にとっても本格的指導が受けられたりのメリットがあるのではないでしょうか。ただし、ボランティアというわけにもなかなかいかないので、予算の問題が生じるデメリットも考える必要があります。
今回の視察は、文教こども委員会としてはとても有意義な視察であり、市政に十分参考になった地域の訪問でありました。今後はこれら勉強したことを活かし、市政に反映していきたいと考えます。

カテゴリー
最新の記事5件